コンサルタントは先生と呼ばれることがあります。それは企業に経営理論を教えたり、指導したりすることからきているようですが、私はこう呼ばれるのはあまり好きではありません。なぜなら、小生自身が企業の皆様に教えていただくこともたくさんあるからです。

コンサルタントをしていますと、日ごろ接することができない業界構造、商慣習、アイデア商品、製造設備や仕事の工夫などを学ぶことができます。たとえば、ホンダと日産では部品調達の考え方が違うとか、饅頭とチーズインハンバーグは同じ包餡機という機械で作っているとか、キャベツにも様々な品種があり農家は使い分けているとか、こういったことはコンサルタントにならなければ知ることはなかったでしょう。

こうした経験から、わたしはコンサルタントの最大の役割は最新の理論や流行語を企業に教えることではなく、他の会社や他の業界で実行している工夫を別の企業に紹介していくことだと思うようになりました。

独特な商慣習や現場の工夫は、書籍や雑誌を読んでいるだけでは学ぶことはできません。様々な企業や現場に出入りすることで初めて知ることができます。これはコンサルタントだからできることで普通のビジネスマンでは難しいのではないでしょうか。まさにコンサルタントならではの醍醐味ではないかと思います。

これからも実地研究に力を入れて、皆様に様々な先人の工夫を皆様に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願い申しあげます。