DDMRPを知っていますか

「ERPに業務をあわせる(Fit To Standard)というトップ方針で導入したERPがうまく動かずに工場生産が混乱している」こうした工場からの相談が相次いでいます。

この問題の背景には、ERPパッケージが生産管理ロジックに採用しているMRP(資材所要量計画)があります。MRPは製品の生産計画(MPS)にあわせて効率的に部品や材料を調達する仕組みですが、計画変動が発生すると意図した通りには動かず、現場は変更指示に振り回されやすい」という課題を抱えています。

日本の製造現場では、販売先や営業部門の都合、製造現場や購入先の対応などを起因とした計画変動が日常茶飯事で起きるのが普通です。MRPの前提条件である「計画通り」を維持することは難しく、それがMRPひいてはERPが使えないことにつながっています。

そうはいっても、今更高額導入したERPを止めるわけにもいかず、EXCELによる現場調整で対応しているところが多いようです。AI需要予測やスケジューリングソフトに活路を見出そうとする企業もいますが、簡単にはうまくいきません。

海外ではこの問題にどう対応しているのであろうということで、生成AIのChatGPTに聞いてみました。ChatGPTによると、海外でもMRPが計画変動に弱いという問題は顕在化しているそうで、RPの代わりに「DDMRP(Demand Driven Material Requirements Planning:

需要駆動型MRP)」を組みこむERPパッケージが増えているそうです。ChatGPTからは「ERPにあわせる」からといってMRPを使う必要はないことの例証にこのDDMRPを推奨したらどうかという返事がありました。

DDMRPとは、「予測(見込計画)ではなく、実際の需要(売れた分)に合わせて在庫を補充管理る最新の手法」のことで、従来のMRPが抱えていた「予測(見込計画)が外れると在庫が山積みになる、あるいは欠品する」という弱点を克服するために考案されたそうです。

DDMRPではMPS(基準生産計画)を使わずに在庫変動に合わせて臨機応変的に生産手配します。

発注点管理やかんばん方式に似ていますが、安全在庫量、調達ロット数、かんばん枚数などを固定しないことが従来手法と異なります。

DDMRPですが、日本ではあまり浸透していません。DDMRPは発想としては面白いのですが、現実解として使えるかは不明確な面が残っています。ChatGPTがいうようにうまくいくかどうかはわかりません。

たとえばDDMRPは在庫を前提とした運用のため、調達リードタイムが長い調達品にDDMRPを適用すると在庫量が増えてしまいます。これは在庫を減らす(もしくはジャストインタイムで調達する)という日本企業の経営思想に反する可能性も指摘されています。

また、DDMRPはMRPと同様に調達リードタイム変動に対する監視機能が弱いことも問題です。受注生産のような欠品抑止が必須となる工場の納期監視には力不足な面も残ります。

そこで、私が研究しているのは計画変動に強いDDMRPの考え方と調達変動監視に強い製造ロット番号管理を組み合わせて動かしてはどうかというアプローチです。DDMRPではなくても柔軟な在庫補充管理

による生産指示を採用するだけでも大きな改善効果がでるかもしれないと考えています。

MRPの限界や計画(内示)変動で悩まれている工場の皆さん、一緒にDDMRPの応用可能性を研究してみませんか。DDMRPや製造ロット番号管理に興味のある方からの連絡をお待ちしています。

参考までにSAP社のDDMRP紹介です。

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